作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト

オバマ的英単語(23)核廃絶演説から


■■■state■■■  stateは「公式の見解として述べる」

私ははっきりと、そして自信をもって、アメリカの決意を表明します。
I state clearly and with conviction America's commitment.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同じ「言う」でも重さが違う

 核兵器の危険性を示し、すべての人に関係する問題であることを説いたオバマは、ここでアメリカの決意を表明する。決意の内容については次項で解説するとして、まずはstateに注目してみよう。
 stateは、sayと同様「言う」行為を示すが、もっとずっと形式ばっていて重いニュアンスがある。思いついたことを言うのでも、友人として話しかけるのでもなく、「アメリカ大統領の公式の見解として述べている」ことを表している。さらに「はっきりと、自信をもって(clearly and with conviction)」と言葉を補い、決意の固さを示している。
 オバマはstateのあとに、今度はdescribeという動詞を使っている。
 Now, let me describe to you the trajectory we need to be on.
 (それでは、われわれがどういう道筋を通るのかを説明しましょう)
 describeで、これから具体的にその手順を説明しようとしていることがわかるのである。


■■■commitment■■■  commitmentは「本腰を入れて絶対に実行する約束」

核兵器のない世界の平和と安全保障を求める努力をするというアメリカの決意。
America's commitment to seek the peace and security of a world without nuclear weapons.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いよいよアメリカの決意を表明する

 オバマがアメリカ大統領として自信をもって明言した「アメリカの決意」がここにある。アメリカが保有する核兵器は1万発以上。冷戦時代より少なくなったとは言え、世界中の核兵器の3分の1以上がいまもアメリカにある。そのアメリカの大統領が核兵器を全部なくすというのだから、世の中がひっくり返ると言ってもいいくらいのインパクトがある。会場は拍手と歓声に包まれ、この演説の一つのヤマ場となった。
 commitmentは約束であり、責任であり、義務である。ただの約束でなく、公に表明し、「本腰を入れて絶対にやる」ニュアンスがある。前項のstateといい、clearly and with convictionといい、オバマは、これ以上ないほど、核兵器廃絶という将来に対する情熱と決意を表すために言葉を尽くしていると言える。