作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト

オバマ的英単語(8)勝利宣言から


■■■journey■■■ journeyにはセンチメンタルな色がある

この旅のパートナーに感謝したい。
I want to thank my partner in this journey.

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この日、旅は一つの到達点に達した

 ここで言う「旅のパートナー」とは、副大統領候補のジョー・バイデンである。勝利を宣言する場にあって、オバマは最も近い関係にいるバイデンへの気遣いを忘れない。
 旅を表す言葉にはtravel、trip、voyageなどいろいろあるが、一般的な「旅行」を表すtripやtravel(tripの方が短めの旅)に比べて、journey(長い旅)やvoyage(船旅)には、どこかセンチメンタルな色合いがある。とくにjourneyはよく人生にもたとえられる。こうした感情的な部分に訴える言葉の選択が、喜びをともにする聴衆の心にしみる。この旅は、アメリカ国民すべての旅でもある。
 過去から未来へのつながりを大切にするオバマは、よく旅をたとえに使う。翌年の就任演説には次のような表現が見られる。
 Our journey has never been one of short-cuts or settling for less.
 (我々の旅は近道でも、平坦なものでもなかった)


■■■prove■■■ proveは「まぎれもない真実であると証明する」

彼らは、「人民の、人民による、人民のための政治」が、地球上で死んではいなかったことを証明したのです。
They proved that a government of the people, by the people and for the people has not perished from this Earth.

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ボランティアに対する最高の賛辞

 「彼ら」とは、選挙戦中、わずかな貯金から5ドル、10ドルと寄付してくれた人々、またボランティアとしてオバマ陣営で働いた人々のことだ。
 彼らは家や家族から遠く離れ、給料も睡眠時間もわずかしかとれない仕事に参加し、見知らぬ人々の家をノックして回った。それらの行動によって、リンカーンのあの名言がまぎれもない「真実」であることを、あらためて証明してみせたというのである。
 proveは強い言葉だ。疑いもなくはっきりと真実であることを示す。ここでshow(見せる)やtell(伝える)でなく、proveを使うことによって、オバマは彼らの努力とリンカーンの名言を、時を越えてリンクさせた。
 リンカーンは、いまもアメリカ国民の間で人気ナンバーワンの大統領だ。このフレーズは、オバマの勝利に貢献したたくさんのボランティアに対する最高の賛辞であった。