作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト

オバマ的英単語(4)民主党大会基調演説から

■■■opportunity■■■ opportunityは「場が与えられている」こと

すべての人にチャンスの扉は開かれている。
The doors of opportunity remain open to all.


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自分のしたいことができる国

 opportunityとは「機会、チャンス」。chanceとともに日本語では「チャンス」と訳してしまうことが多いので混同しがちだが、ニュアンスは違う。opportunityは、「(何かをするのに適した)機会」。chanceは、同じ意味に用いることもあるが、もっと偶然の「好機、棚ぼた」的な感じがある。だから、サッカーで敵がミスパスをしたらchanceだが、opportunityではない。勉強したい人が勉強できる環境はopportunity。「opportunityがある」ということは、つまり、場が与えられていることなのだ。
 この演説の冒頭でも、オバマはアメリカを「自由とチャンスの象徴(beacon of freedom and opportunity)」とみなしている。何かしたいと思ったら、誰にもじゃまされずにスタートできる―アメリカはそういう国でなければならないというのだ。


■■■shatter■■■ shatterは「粉々に砕く」イメージ

私が出会った、愛する家族が手足を失ったり心に深い傷を負って戻ったりした人々のことを思います。
I thought of the families I had met whose loved ones had returned with a limb missing or nerves shattered.

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戦争は人を粉々にする!

 これは、イラクに派兵されて負傷したり精神に異常をきたして帰国した兵士やその家族に触れたくだり。オバマは貧困や戦争を単なる抽象論としてではなく、自分が実際に会った人たちの物語を通して目に見えるように語る。
 ここで使われているshatterには「粉々にする」イメージがある。shut(閉じる)から派生したshutter(カメラのシャッター、雨戸)とはまったく別の単語である。また、同じ「砕く」でも、crushは強い力で押しつぶす感じ、smashはテニスのスマッシュでわかるように、打ち付けて砕くような「動き」が強調される。
 shatterは比喩的に健康や夢、希望などが壊れた時にも使われる。His health was shattered.と言えば「彼は健康をすっかり害してしまった」ということ。健康が粉々になってしまったイメージである。