作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト

1秒速答! クイックレスポンス(ジャパンタイムズ)


■ はじめに ■  (抜粋)

英会話の「2つの壁」を突き破ろう

 「英会話がうまくなりたい」――これは英語を学ぶすべての人の夢であり、あこがれではないでしょうか。しかし実際には、多くの人が「2つの大きな壁」につきあたり、これを突破することができないままに、英語の勉強をあきらめてしまいます。
 その「2つの大きな壁」とは......

 (1) 相手の言うことが聞き取れない!
 (2) 聞き取れたとしても、反射的に応答できない!

 あなたも思い当たる節があるのではないでしょうか。
 たとえ英単語をたくさん覚え、会話用の例文を暗記し、分厚い文法書を読み込んだとしても、それだけでは英語を話せるようにはなりません。実際に英語で会話するためには、相手の言うことを聞き、即座に反応しなくてはならないからです。

 会話がはずむためには、相手が言い終わってから、3秒ほどのうちに応答する必要があると言われています。相手の言ったことを日本語に訳して理解し、こちらが言いたいことを英語に訳してから応答する、そんな悠長な作業をやっていたら、あっという間に5秒、10秒という間隔が空いてしまいます。
 これは、日本語の会話で考えてみれば、一目瞭然です。「どちらのご出身ですか?」と聞かれてから、5秒たって、「はい、秋田県です」と答えたら、相手は怪訝な顔をすることでしょう。「この不気味な沈黙は何?」と。

 英会話をスムーズに行うには、英語の反射神経が必要です。この反射神経は、トレーニングを積まないと、絶対に身につきません。そこで、(1)相手の言うことを正確に聞き取り、(2)即座に的確に応答するためのトレーニングを豊富に提供するために、私はこの本を書きました。
 私はすでに「3秒速答」のトレーニング・ブックを出版していますが(アルク刊)、今回はもっと反応速度を上げて「1秒速答」を目指しました。この本のトレーニングを続けていると、どんどん英語の反射神経がよくなっていくことを実感されると思います。

 私はこの15年間に100冊以上の英語本を書いてきましたが、私が得た結論は次のように要約することができます。
 「これまでの英語学習は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの技能を別々のスキルととらえ、バラバラに学習してきた。しかしこれからは、インプット(聞く、読む)とアウトプット(話す、書く)をリンクさせた学習法をとらなければならず、そうでなければ永遠に英会話は身につかない!」
 本書は、この結論に基づいて書いた最初の本なのです。

 これまでの英語学習は、「インプット過多」という1語に集約することができると思います。「訳しながら読む、訳しながら聞く」ことに多くの時間を割くあまり、訳さずに読む楽しみ、訳さずに聞く快感から遠く隔たった場所で、出口の見えない、ストレスの大きい勉強を積み重ねてきたのです。いつかきっとこの苦しみが実を結ぶ日が来るに違いないと信じて。
 しかし、インプットとアウトプットをリンクさせた学習法に切り替えれば、その日から「英会話に直結する」生き生きとした英語学習を楽しむことができます。

  楽しくなければ続かないし、続けなれば決して上達しない!

 私はそう固く信じています。きっとあなたも同感だと思います。「苦しいのに続ける、無理に続けるのでもっと苦しくなる」――この悪循環をそろそろ断ち切るときではないでしょうか。

 本書では、最初はやさしいトレーニングから出発し、最後はTOEIC TESTのリスニング対策まで進みます。どうか、私の考えを理解し、この16日間のトレーニングをやり遂げてください。「英会話がうまくなる」という夢が、今までよりもずっと身近になっていることに驚かれると思います。